大阪地方裁判所 昭和54年(わ)5127号 判決 1980年7月24日
本店
大阪府箕面市箕面二丁目一〇番四号
商号
阪南部品株式会社
右代表者代表取締役
石田敬禧
本籍
大阪府堺市中安井町三丁目一〇四番
住居
大阪市阿部野区北畠一丁目二四番二四号
会社役員
石田敬禧
大正七年五月二二日生
右両名に対する法人税法違反被告事件につき、当裁判所は検察官飯田讓出席のうえ審理し、次のとおり判決する。
主文
被告人阪南部品株式会社を罰金六〇〇万円に、被告人石田敬禧を懲役六月に各処する。
被告人石田敬禧に対し、この裁判の確定した日から三年間その刑の執行を猶予する。
理由
(罪となるべき事実)
被告人阪南部品株式会社は、大阪府箕面市箕面二丁目一〇番四号に本店を置き、自動車部品等の販売業を営むもの、被告人石田敬禧は、同会社の代表取締役としてその業務全般を統轄しているものであるが、被告人石田敬禧は、同会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、
第一 同会社の昭和五〇年一〇月一日から同五一年九月三〇日までの事業年度において、その所得金額が三六、〇八四、五六六円で、これに対する法人税額が一三、一六三、八〇〇円であるのにかかわらず、売上の一部を除外し、これによって得た資金を仮名の定期預金にするなどの行為により右所得の一部を秘匿したうえ、同五一年一一月三〇日、大阪府池田市城南二丁目一番八号所在豊能税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が九、七六一、一五七円、これに対する法人税額が二、六五五、六〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により、法人税一〇、五〇八、二〇〇円を免れ
第二 同会社の同五一年一〇月一日から同五二年九月三〇日までの事業年度において、その所得金額が三三、四五七、五八三円で、これに対する法人税額が一二、一二六、五〇〇円であるのにかかわらず、前同様の不正行為により右所得の一部を秘匿したうえ、同五二年一一月二八日前記豊能税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が四、八一〇、二六六円、これに対する法人税額が九四六、三〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により、法人税一一、一八〇、二〇〇円を免れ
第三 同会社の同五二年一〇月一日から同五三年九月三〇日までの事業年度において、その所得金額が一七、〇二二、六二二円、これに対する法人税額が五、五四九、〇〇〇円であるのにかかわらず、前同様の不正行為により右所得の一部を秘匿したうえ、同五三年一一月二八日前記豊能税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が三、五九三、八四〇円、これに対する法人税額が五九五、七〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により、法人税四、九五三、三〇〇円を免れ
たものである。
(証拠の標目)
判示全事実につき
一、被告人石田敬禧の当公判廷における供述
一、同被告人の検察官に対する供述調書及び同被告人に対する収税官吏の質問てん末書一一通
一、同被告人作成の確認書二通
一、収税官吏作成の査察官調査書、現金預金有価証券等現在高確認書及び同検察てん末書
一、国税査察官作成の調査報告書(記録第二四-九号と表示あるもの)
一、押収してあるアドレス手帳三冊(昭和五五年押第二七二号の一ないし三)
一、豊能税務署長作成の昭和五四年六月二七日付証明書判示冒頭の事実につき
一、登記官作成の登記簿謄本
一、阪南部品株式会社作成の証明書
判示第一の事実につき
一、国税査察官作成の調査報告書(記録第二四-八号と表示あるもの)
一、収税官吏作成の脱税額計算書(自昭和五〇年一〇月一日至昭和五一年九月三〇日分)
一、豊能税務署長作成の昭和五四年六月二二日付証明書(右同)
判示第二の事実につき
一、収税官吏作成の脱税額計算書(自昭和五一年一〇月一日至昭和五二年九月三〇日分)
一、豊能税務署長作成の昭和五四年六月二二日付証明書(右同)
判示第三の事実につき
一、収税官吏作成の脱税額計算書(自昭和五二年一〇月一日至昭和五三年九月三〇日分)
一、豊能税務署長作成の昭和五四年六月二二日付証明書(右同)
(法令の適用)
法人税法一五九条(被告人石田敬禧につき懲役刑選択)、一六四条一項、刑法二五条一項
(裁判官 森下康弘)